蘭フィリップスと中国アリババ、スマート家電で提携
【フランクフルト=加藤貴行】欧州電機大手のフィリップス(オランダ)は14日、中国電子商取引最大手のアリババ集団と提携し、中国でクラウドコンピューティングを使った家電などへの情報提供を始めると発表した。まずフィリップスの空気清浄機に採用して、消費者が大気汚染の状況を逐一把握し遠隔操作できるようにする。両社は他の家電や医療機器まで提携範囲を広げる計画だ。
中国では微小粒子状物質「PM2.5」による大気汚染が深刻で、健康被害の懸念も広がる。フィリップスは清浄機自体の性能に加え、汚染濃度が上昇した場合は警告を出す機能なども追加。常時ネットに接続する「スマート家電」の分野で他社との違いを出す。
アリババは主力の電子商取引のほかクラウドも成長分野と位置づける。中国国内でブランド力のあるフィリップスと組み、データの保存や分析などの事業も拡大する。膨大な画像データが必要になる診断装置などでの活用も進める。
両社はクラウドを使った消費者の利用状況など市場調査も進める。世界各地で進む大都市への人口集中に対応した、製品やサービスの開発に生かす方針だ。