日米TPP閣僚協議、甘利氏「まだ簡単でない」
初日が終了
【ワシントン=坂口幸裕】日米両政府は23日夜(日本時間24日午前)、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡る農産品の関税などに関する初日の閣僚協議を終えた。甘利明経済財政・再生相は米通商代表部(USTR)のフロマン代表との会談後、記者団に「閣僚間で処理しなければならない問題は難しい。なかなか簡単に打開できる状況ではない。しかし、全く見通しがないというわけでもない」と意欲を示した。24日までの決着を目指す。
甘利氏は記者団に「ぎりぎりの状況になればなるほど乗り越えていくハードルは高くなる。今日の段階では、お互い譲れない線がどこにあるか絞られてきた」と説明。「かなり厳しい、絞り込んだ話し合いをしている。まだそう簡単ではない」と語った。初日は探り合いに終わったもようだ。
日米両政府は23日の閣僚協議終了後も、日本の農産品の関税や自動車の市場開放について実務者レベルの討議を続けた。
協議は牛・豚肉や乳製品の関税率と、輸入量が急増した場合に関税率を引き上げて歯止めをかける輸入制限措置(セーフガード)が焦点だ。米国はセーフガードで日本向けの輸出を増やす条件を求めているとみられる。
TPP交渉に参加する12カ国は年内の大筋合意を目指している。今回の協議は10月にも開く全体の閣僚会合を前に、交渉を主導する日米が難航する農産品の関税などで決着への道筋をつける狙いがある。甘利氏は「政治レベルで問題が解決しないと年内の大筋合意に赤信号がともる」とみる。