今年は暖冬？ エルニーニョ5年ぶり発生か
気象庁は10日、世界各地に異常気象を引き起こす「エルニーニョ現象」が発生しているとみられるとする監視速報を発表した。エルニーニョ現象は全地球的に干ばつや洪水などの異常気象をもたらし、日本では冷夏、暖冬になりやすい傾向がある。
世界気象機関（WMO）は4日、太平洋赤道海域の海面水温が南米ペルー沖で高い状態が続き、異常気象の原因となる「エルニーニョ現象」が今年12月～来年3月に発生する可能性が70～75%に上るとの予測を発表した。実際に発生すれば2009年夏から10年春に観測されて以来。
エルニーニョ発生、3月までに70%超 世界気象機関予測（12月4日）エルニーニョ現象とは
南米ペルー沖の太平洋赤道海域で海面水温の高い状態が続く現象。主な原因は(1)東風の貿易風が弱まって太平洋の海面では暖かい海水が西に吹き寄せられにくくなり、ペルー沖の水温が上がる(2)ペルー沖では深海からの冷たい海水のわき上がりも弱まる――と考えられている。
エルニーニョ現象とは（12月11日）
エルニーニョとは、スペイン語で「男の子」という意味ですが、「イエス・キリスト」という意味もあります。これは東太平洋のペルーの海岸近くの海水温が上昇するのが、ちょうど12月のクリスマスの時期にあたったためです。地元の漁民がこの現象をエルニーニョと呼んだのが語源であるといわれています。
エルニーニョ現象が起きるとなぜ異常気象になるの（7月5日）今年は暖冬予想
11月25日に発表された「12月～2月の3カ月予報」によると、東・西日本は「暖冬」傾向の予想です。関東甲信越地方から沖縄は、50%の確率で「平年より気温が高い」と予想され、寒い冬になる確率は20%しかありません。
大陸からの寒気の影響を受けにくいとみられる半面、低気圧や前線が本州の南の海上を通りやすくなり、太平洋側では「冬晴れ」の日が少なくなりそうです。
「東京」の冬が寒くなる…観測地移転で昭和に逆戻り（12月4日）
冷夏予想は大はずれ
今夏は「エルニーニョ現象」によって冷夏になると予想されていたが、気象庁は発生が秋にずれこむと修正。
6月上～中旬に太平洋赤道付近の広範囲で強い東風が吹き、積乱雲の動きがインドネシア付近で停滞。エルニーニョ現象を生み出す西風が強まらず、ペルー沖の海面水温が低下した。
猛暑列島、エルニーニョどこに？ 発生は秋以降（7月25日）エルニーニョの予測にはスーパーコンピューターを使う。大気の流れと海の状態が相互に及ぼし合う影響を織り込んだ「大気海洋結合モデル」で計算するが、難点もある。海洋は観測点が限られる。国際協力で3000個を超える観測用ブイ「アルゴフロート」が配置されたのは最近のことだ。
海水は水平、鉛直の両方向に動き様々な周期の循環が存在するがメカニズムは不明な点も多い。温暖化ガスの効果で増えた熱量が海にどのように吸収され、水温分布にどう影響するかもようやくわかり始めた段階だ。
エルニーニョ予測 なぜ二転三転？ 算出モデル改善の余地（11月30日）
観測地移転、最低気温に注意
今冬以降、東京は再び冬日が増える可能性があります。暖冬予報の中、なぜこんなことがいえるかというと、「気温を測る場所が変わったから」です。
東京の気象観測地点は12月2日、大手町の気象庁構内から西へおよそ900メートル離れた北の丸公園内に移転した。緑が多い場所のため、夜間の気温がこれまでより下がりやすくなる。
12月2日から採用された新・平年値では、最高気温は0.2度低くなる程度で夏日・真夏日の日数はほぼ同じです。影響が大きいのは最低気温です。これまでは13.0度だったのが11.6度に下がり、冬日が約6日から21日に増え、28日あった熱帯夜は11日に減ってしまいます。
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