最低賃金上げ、全国平均780円 厚労省が発表
厚生労働省は28日、2014年度の最低賃金が全国平均で時給780円となり、前年度より16円上昇したと発表した。労使の代表が参加する都道府県の審議会が同日までに、地域ごとの最低賃金を答申した。引き上げ幅は4年ぶりの大きさで、厚労省が7月に示した目安と同額だった。10月から適用して、手取り収入が生活保護を下回る逆転現象もすべての都道府県で解消する。
最低賃金はすべての企業が従業員に払う最低限の時給で、これを下回ると罰金を払わなければならない。中小のオフィスや店舗、工場で働く人の約7%が最低賃金で働いている。
新しい最低賃金で最も高いのは引き続き東京都で、19円上昇の888円。2番目が神奈川県の887円だった。最も低い沖縄県など7県は677円。13円上がったものの、東京都とは200円以上の差が残る。
最低賃金の手取り収入が生活保護の金額を下回る逆転現象は13年度に北海道、宮城、東京、兵庫、広島の5都道県で残っていた。逆転している地域では、働かずに生活保護を受けた方が得になるため、働く意欲をそぐ仕組みとして批判を浴びていた。政府は08年度から解消を目指して最低賃金を上げており、14年度で初めてゼロになる。
今回の最低賃金の引き上げは政府が主導した。逆転現象への対策だけでなく、賃上げで消費を増やす狙いもある。