和歌山県が南海トラフ地震の津波対応訓練 オスプレイも参加
和歌山県は19日、南海トラフ巨大地震を想定した津波災害対応訓練を実施した。訓練には米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の垂直離着陸輸送機オスプレイ2機が参加した。自治体が主催する防災訓練に使用されるのは初めて。
訓練は午前9時、和歌山県南方沖でマグニチュード8.7の地震が発生し、県内で震度5強から7の揺れを観測、津波が押し寄せたとの想定。3千人余の住民や自治体、警察、消防、自衛隊、米軍などの約6400人が参加した。
オスプレイ2機は岩国基地(山口県岩国市)を離陸し、午前9時15分ごろに南紀白浜空港(和歌山県白浜町)に飛来。災害派遣医療チーム(DMAT)を乗せ、水や食料を積んで同県串本町潮岬の広場に搬送。広場ではけが人役の8人を搭乗させ、治療を想定して沖合の海上自衛隊護衛艦「いせ」に運んだ。
和歌山県によると、県が自衛隊の参加を要請した際、防衛省からオスプレイを含む米軍が加わることを打診された。
オスプレイの各地の防災訓練への参加について、訓練を視察した左藤章防衛副大臣は訓練後の記者会見で「米軍の協力と自治体の理解が得られれば、なるべく多く訓練させてもらいたい」と話した。
オスプレイは8月に横田基地(東京都)で実施された米軍単独の防災訓練にも投入された。11月には陸自が米軍、オーストラリア軍と東北6県で実施する共同防災訓練に参加する予定。〔共同〕