津波堆積物、全国各地の調査データ公開 産総研
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は15日、過去に津波に襲われた痕跡を見つけるために、全国各地で堆積物を調べた結果を公開するインターネットサイトを開設した。結果だけでなく、継続中の調査のデータも公表し、地元自治体の防災計画などに反映させるとともに、防災への意識を高めてもらう狙いだ。
産総研によると、東日本大震災前の2004~10年に実施した仙台平野の堆積物調査では、東北地方で869年に起きた貞観地震による津波堆積物が、大震災で発生した津波による浸水地域と大まかには同じ範囲で確認できたという。
このほかに調査中の地点があるのは、青森、福島、茨城、千葉、静岡、三重、和歌山、徳島、高知の9県。南海トラフ沿いを震源とし、1707年に発生した宝永地震などによる津波堆積物が確認できるかを調べる。
津波が起きると、削り取られた海底や海岸の砂や泥が別の場所に運ばれて積み重なる。この堆積物を調べることで、次に津波が来るまでの間隔や津波が到達した範囲を把握できるという。