TPP、19日から首席会合 知財などで詰めの交渉
環太平洋経済連携協定(TPP)参加12カ国は19日からオーストラリアのキャンベラで首席交渉官による交渉会合を開く。知的財産権や国有企業改革といった難航課題で詰めの交渉をする。25日から同国で開く閣僚会合で政治決着に向け調整を進める。
日本の鶴岡公二首席交渉官は17日、会合出席に先立って成田空港で記者団に、「事務方で準備作業をし、閣僚会合でできるだけ成果を出して11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議につなげることが目標だ」と語った。一方、「国有企業、知財、環境など容易でない課題が残されている」との見方も示した。
TPP交渉では難航3分野と同時に、日米間の関税協議も決着していない。甘利明経済財政・再生相は17日の閣議後会見で「(ルール分野の交渉が遅れる理由は)日米協議の模様を眺めているという点がある」と指摘。日米は豪州での全体会合に並行して2国間の関税協議を進める予定で、早期の交渉妥結へ弾みをつけたい考えだ。