福島から避難、苦難の生活訴え 損賠訴訟で意見陳述
東京電力福島第1原発事故後、福島県から山形県に避難した住民やその家族62世帯227人が国や東電に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が19日、山形地裁(石垣陽介裁判長)であり、原告が意見陳述で家族が離れ離れの生活を強いられる苦しみを訴えた。
自営業湯野川政弘さん(60)は、母親(80)を自宅に残し、妻(49)や子どもと5人で福島市から山形県米沢市に避難し、毎日往復3時間かけて福島市に通勤していると説明。「家族と過ごす時間が減って、子どもは情緒不安定になり、妻はストレスで倒れ今も投薬治療中だ。原発事故で平穏な生活を奪われた」と述べた。
福島県川俣町から山形市に娘家族らと6人で避難した男性(67)は「住み慣れた故郷で家族全員で暮らせる日はいつになるのか。30年先か、50年先か」と訴えた。娘の夫は仕事のため福島市に住んでいるという。〔共同〕