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広島土砂災害で活躍 車のビッグデータが人を救う

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自動車の通行情報をビッグデータとして災害時に役立てる取り組みが本格化している。仕掛けているのは、渡辺浩之トヨタ自動車顧問が会長を務めるNPO法人のITSジャパン(東京・港)。大規模災害時にカーナビゲーションシステムのメーカーなどが持つ車両通行情報を集約し、通行状況をインターネットで配信するサービスを始めた。災害時に救援物資を届けたり、避難を円滑に行ったりするのに役立つと期待されている。

トヨタやパイオニアなど8社の情報を集約

「行けたとしても、戻ってこられない危険もあった。マップでリアルタイムの通行情報が得られて本当に助かった」――。東京都調布市の自営業、亀井陽一さん(63)は、2011年3月に東日本大震災が起きた時、福島県南相馬市に住む義父母を車で迎えに行き、その日のうちに東京に避難させることができた。役に立ったのは、ネット経由で偶然発見したというITSジャパンの通行実績マップだ。通行できない道路を避け、目的地にたどり着いた。

ITSジャパンは、自動車メーカーや関連産業など約240の会社・団体からなる。円滑な交通システムの促進などを目的に前身のVERTISが1994年に設立され、01年に名称変更した。ITSジャパンが集めるのは、個人の乗用車や業務用のタクシー、トラックなどに取り付けられたカーナビから送られてくるリアルタイムの通行状況だ。トヨタ自動車やホンダなどの自動車メーカー、パイオニアなどのカーナビメーカーの会員企業8社から情報提供を受けている。1台ずつの個別情報は蓄積しない。個人が特定できないように匿名化し、地図にプロットする。

集約した情報をもとに、通行が可能な道路とそうではない道路を識別し、一目で分かるように表示する。地図製作に当たっては米グーグルの「グーグルマップ」を活用している。国道や県道など道路の種別に関係なく一元的に情報提供できるのが特徴だ。乗用車とトラックの区別も付くようにしている。被災者の避難だけではなく、救護車両や救援物資を積んだトラックが円滑に被災地にたどり着けるように企業や自治体の利用を見込む。

マップを配信するのは、原則として震度6弱(東京都23区内は震度5強)以上の地震が発生した時だ。内閣府に非常災害対策本部が設置された風水害や火山活動も含まれる。

情報提供範囲は、80キロメートル四方を1ブロックとして、任意でITSジャパンが決める。発生から12時間以内を目標に情報の配信を始め、3時間ごとに更新する。配信期間は1週間だが、災害が収まっていない場合は延長する。

実は、東日本大震災の時は正式なサービスの開始前だった。緊急事態であることを理由に各社に情報提供を呼びかけ、亀井さんのように実際に活用されるところまでこぎ着けた。

通行実績などの走行情報は本来、各企業が利用者や関連企業向けの情報サービスなどに役立てるために集めるものだ。商品開発や独自サービスで他社と差異化するための「資源」になっている。今回の取り組みを始めた理由について普及促進グループの石毛政男部長は、「自動車関連業界としての社会貢献活動の一環だった」と語る。

本格的なサービス開始に向けては、どの程度の規模の災害なら情報を公開するかの基準策定に最も時間がかかったという。14年6月に正式にサービスを開始し、その直後に発生した8月の広島の豪雨被害では2週間にわたって情報を配信した。11月の長野県北部地震でもマップを公開した。担当者で普及促進グループの石井聡担当部長は「当初は2~3年に一度程度の災害で活用することを想定していたが、既に2度も情報配信することになった」と驚きを隠さない。

あえて人の判断も介在させる

御嶽山噴火の時は、災害対策本部が設置されたが、道路被害が少なく配信しなかった。基準に限らず被害状況に応じて柔軟な対応ができるよう、あえて人の判断も介在させている。石毛さんと石井さんは2人体制で、災害発生時には「最大限の努力」をして、早期の情報提供に努めている。

現在は積極的な広報活動は展開していないが、徐々に知名度は上がってきているという。大月誠常務理事は「一般にも取り組みを周知したい」と話す。さらに、「自治体に対する通行実績の情報提供が進むよう支援したい」とも意気込む。

大災害はいつ起こるか分からないが、そんな有事の際に人命を守るためには有益な情報収集が欠かせない。政府や自治体は防災関連や各種統計などの情報を利用しやすい形で広く公開する「オープンデータ」に取り組む考えだが、企業が持つ情報がオープンデータとして活用される意義は大きい。

(企業報道部 広沢まゆみ)

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