サハラ砂漠から「綱」レベルの新微生物発見 広島大など
広島大と筑波大などの研究グループは3日までに、チュニジアのサハラ砂漠から新しい微生物を発見したと発表した。自然界では0.2マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルより小さい可能性が高く、生物学の分類で「種」「属」「科」「目」の上に位置する「綱(こう)」のレベルで新しい微生物だった。7日発行する微生物に関する英国専門誌に発表する。
新しい微生物は0.2マイクロメートルの穴があいた除菌フィルターで砂漠の砂や石をこした後に残ったろ液の中から見つかった。遺伝子を解析した結果、綱の上の「門」レベルではプロテオバクテリア門に属し、同じ門の多くの微生物とは近縁でないことがわかった。
研究グループは新しい綱をオリゴフレキシア綱と命名。国際原核生物分類命名委員会に提案し、発見した微生物の属種名を「オリゴフレキサス・チュニジエンシス」として登録した。
これまでも新綱に属する微生物の遺伝子はヒトの皮膚や植物などから見つかっていたが、生きた微生物を取り出して培養に成功したのは初めて。広島大の長沼毅准教授は「新しい微生物は様々な環境に生息していると考えられる」と話している。