GM、中国に5年で60車種投入 新車攻勢で首位固め
【香港=阿部哲也】米ゼネラル・モーターズ(GM)は中国市場で新車投入を加速する。売れ筋のSUV(多目的スポーツ車)などを中心に、今後5年間で合計60車種の新モデルを投入する。2020年の中国販売を15年比25%増の450万台以上に引き上げるのが目標だ。中国市場は減速懸念が強まるが、安定成長は続くと判断。5年間で1兆7000億円規模の積極投資を続け、販売首位固めを狙う。
GM中国法人の銭恵康総裁が表明した。景気減速の影響が懸念される中国市場について「20年まで年平均3~5%成長が続く」と予想。内陸部でも新車が行き渡り、買い替えの拡大が期待できるとして「20年には市場規模が3千万台に達する」との見通しを示した。
需要取り込みの柱が大規模な新型車の投入だ。レジャーや旅行など様々な用途で車を使う消費者が増えており、強みを持つSUVやMPV(多目的車)を中心に新型車を増やす。60車種のうち「40%がSUVとMPVになる」(銭氏)という。
電気自動車(EV)などエコカーも今後5年で10車種以上投入する。5年以内に電池など心臓部の現地生産も始め、コストを削減する。高級車の需要拡大も見込み「ビュイック」ブランドの新モデルも10車種投入する。
一連の新車攻勢に向け、合弁を組む上海汽車集団とは総額1千億元(約1兆7300億円)を投資する。内陸部で工場や販売店を拡張するほか、中国の開発拠点で手がける「中国専用モデル」も増やす。GMにとって中国は世界販売の3分の1を占める最重要市場であり、シェア首位の維持が重要課題となっている。