首相「ODA卒業国」の支援表明 中南米歴訪
トリニダード・トバゴ首脳と会談
【ポートオブスペイン=永井央紀】中南米歴訪中の安倍晋三首相は27日午後(日本時間28日未明)、2つ目の訪問先であるトリニダード・トバゴに到着し、パサードビセッサー首相と会談した。所得水準が比較的高い同国が、政府開発援助(ODA)支援の対象から外れた後も経済支援を受けられるようにする新制度の創設を表明した。
トリニダード・トバゴは天然ガスや石油などが豊富な資源国で、日本の首相が訪問するのは初めて。安倍首相は新たな支援制度について「小さな島しょ国特有の脆弱性に鑑みて支援したい。具体的な在り方は調査をして考えたい」と述べた。
日本の海外支援は原則として一定の所得水準以下の国に限っており、トリニダード・トバゴはすでに対象外だ。しかし、気候変動などの影響を受けやすい島しょ国に対しては、引き続き支援が必要と判断した。パサードビセッサー首相は謝意を表明した。
両首脳は国連安全保障理事会の改革に向けて連携することでも一致した。安倍首相は続いて、アンティグア・バーブーダのブラウン首相、ジャマイカのシンプソンミラー首相とも会談。28日にはカリブ共同体(カリコム)に加盟する14カ国を集めた会合も開く。