イラク派遣元空自隊員が国を提訴へ 現地事故で重傷
イラク戦争で航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)からクウェートに派遣された元隊員の男性(40)が、現地で事故にあった際に適切な治療を受けられずに後遺症を負ったなどとして、9月下旬にも国に対して損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こすことが27日、分かった。
男性の代理人弁護士は「国民感情を考慮して事故隠しがされた疑いがある」と話している。
代理人弁護士によると、男性は2006年4月、通信士としてクウェートのアリアルサレム空軍基地に派遣された元3等空曹。同年7月、米軍主催の長距離走大会に参加した際、米軍バスにはねられたが、現地で適切な治療を受けられず、早期帰国の措置も取られなかったという。
帰国後の06年8月、国内の病院で外傷性顎関節症と診断された。身体障害者4級に認定され、11年10月に依願退職。現在も通院しており、口がほとんど開かずに流動食を取っている状態だという。
航空幕僚監部広報室の話 当時の治療や勤務管理は適切だったと認識している。男性からの早期帰国の申し出は確認されておらず、治療しながらの勤務も可能だったと考えている。