上海当局、食品100トン押収 期限切れ鶏肉問題
【上海=菅原透】中国・上海の米系食肉加工会社「上海福喜食品」が米マクドナルドなどに使用期限切れの鶏肉などを供給していた問題で、上海市の食品監督当局は23日までにチキンナゲットなど加工食品約100トンを押収した。当局は組織的な違法行為が行われていたとみて、公安部門と連携して上海福喜を徹底追及する構え。同社製品は広東省や四川省など中国の幅広い地域で使われており、各地の食品監督当局も調査に乗り出した。
上海市当局の発表によると、上海福喜は「マクドナルド」や「ピザハット」「バーガーキング」など外資系ファストフード大手のほか、コンビニエンスストアの「セブンイレブン」や中国の食品会社など合計9社に食品を納入していた。上海市当局の担当者は中国メディアに「一連の違法行為は組織的に行われていた」と語った。
日本のピザハットやバーガーキング、セブンイレブンなどでは「該当する鶏肉は扱っていない」としている。ファミリーマートの中山勇社長は23日、東京都内で記者団にこの鶏肉の使用について「信頼関係を裏切られた。結果として国内のお客様の信頼を裏切ることになり大変申し訳ない」と語った。
上海福喜は、米食肉大手OSIグループの傘下企業。OSIは中国で河北省や山東省など約10カ所に工場がある。中国メディアによると、全国の食品監督部門を束ねる国家食品薬品監督管理総局はすべての工場で生産や品質管理に問題がないか調べるよう通知を出した。
中国各地の食品監督当局も上海福喜の商品が流通していないかを調査している。広東省、四川省など幅広い地域の「マクドナルド」などの店舗から同社製の商品が見つかっており、押収するなど対応を急いでいる。