志賀原発の活断層問題、北陸電に追加データ要求 規制委
原子力規制委員会は3日、北陸電力志賀原子力発電所(石川県)の敷地内にある断層が活断層かどうかを話し合う有識者会合を開いた。原子炉近くを通る断層が「活断層である可能性は否定できない」として、活断層ではないとする北陸電に追加のデータを求める考えで一致した。
焦点になったのは1号機直下の「S-1断層」や、タービン建屋の下を通る「S-6断層」。北陸電は掘削調査などの結果をもとに「活断層ではない」と説明している。これに対し同日の規制委の会合では、有識者から「(北陸電の主張を)受け入れることはできない」「データが不十分だ」といった指摘が相次いだ。
規制委は北陸電から建設時の掘削データなどの追加提出を受けたうえで、次回以降の会合で改めて活断層かどうかを議論する。北陸電は8月に志賀2号機の再稼働に向けて安全審査を申請したが、規制委は断層を巡る問題が解決するまで本格的な審査には入らない方針だ。議論が長引けば同原発の再稼働時期にも影響する。
志賀原発は旧原子力安全・保安院時代に活断層の可能性が指摘された。2012年に発足した規制委がこれを引き継ぐ形で日本原子力発電の敦賀原発(福井県)や東北電力の東通原発(青森県)などとともに調査の対象としてきた。