古河電工とフジクラ、電力用電線の提携見直し
古河電気工業とフジクラは29日、電力用電線の提携を見直すと発表した。10月1日をめどに両社が折半出資する電力用電線の製造販売会社ビスキャスの国内事業を再編する。地中・海底送電線事業を古河電工に、配電線・架空送電事業をフジクラにそれぞれ譲渡する。再編の方法は今後検討するが、実質的にビスキャスを解散して提携を解消するとみられる。
古河電工とフジクラは2001年にビスキャスを設立し、05年に電力用電線事業を統合して製造販売や研究開発部門を集約した。これまで大手電力会社向けにはビスキャスが、太陽光発電所など中小規模の発電所向けには古河電工やフジクラがそれぞれ電力用電線を販売していた。提携を解消して電力用電線の販売窓口を一本化することで、販売効率を高める。
11年の東日本大震災以降、国内では電力会社の送電インフラへの設備投資が伸び悩む。古河電工とフジクラは15年にビスキャスを通じた海外での販売提携を解消しており、今後は両社が独自に海外での事業展開を進め、成長市場を取り込む。