韓国大統領、慰安婦問題で名指しせず 国連総会で演説
【ニューヨーク=原真子】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は24日、国連総会の一般討論で昨年2月の就任後初めて演説した。「戦時の女性に対する性暴力は時代や地域を問わず、明らかに人権や人道主義に反する行為だ」と述べ、間接的に旧日本軍の従軍慰安婦問題に言及した。韓国外交関係者によれば、大統領が国連総会で間接的ながら慰安婦問題に触れるのは初めて。
韓国はここに来て日本との対話に柔軟性を示している。大統領演説も慰安婦問題への名指しを避けたほか救済措置の必要性にも言及しておらず、日本に一定の配慮をしたとみられる。韓国は昨年の国連総会で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が戦時下の性暴力を批判し「被害者の名誉を回復し痛みを和らげる責任ある対応が必要だ」と発言していた。
ただ、朴大統領は慰安婦問題で日本の譲歩を求める従来の姿勢は変えていないとみられ、日本が呼びかけた首脳会談に応じるかはなお不透明だ。
朴大統領は国連総会での演説では北朝鮮の核開発問題を「朝鮮半島、北東アジアへの最大の脅威」と批判した。そのうえで「核兵器を放棄すれば国際社会と協力して積極的に北朝鮮を支援する」とも表明した。