農業の大雪被害、1都5県で621億円 政府が支援策
さらに拡大の見通し
関東甲信地方などの記録的大雪により、栃木、群馬、埼玉、東京、山梨、長野の1都5県で24日までに、農業被害額が計約621億円に上ったことが分かった。一部の施設や作物の被害状況が確認できておらず、さらに増える見通しだ。
農林水産省は同日、災害対策本部の会合を開き、倒壊した農業用ハウスの再建、補修費用の助成や、被災農家への日本政策金融公庫の融資を5年間無利子とするなどの支援策を正式決定した。
群馬県は24日現在、約247億円で、キュウリやイチゴなど農作物の被害は約147億円、農業用ハウスなど施設への被害は約92億円だった。埼玉県は約229億円で、北部の深谷市では全ハウスの約7割、1627棟が倒壊した。群馬、埼玉両県は「過去最大の農業被害」としている。
栃木県は19日現在の被害額が少なくとも約71億5千万円。このうち出荷最盛期のイチゴなど、農作物の被害は約17億円だった。山梨県も24日、被害が少なくとも約71億円に上ると発表。ハウスなど施設への被害が最も大きく約37億円で、特にブドウ栽培用が深刻という。次いで農作物への被害が約27億円だった。
東京都は24日正午時点で約2億8200万円。都によると、ハウスの全半壊など農業施設の被害が2億5700万円、コマツナやホウレンソウなど農作物の被害は2500万円だった。
長野県は「被害額を算定中」としている。〔共同〕