素人の詐欺、ツイッターや掲示板でも被害
ネットオークションを悪用した詐欺は、振り込め詐欺のような手口と違い、素人でもできるのが特徴とされる。オークションサイトに限らず、ネット掲示板や短文投稿サイト「ツイッター」で商品を売買する若者も多く、被害が拡大している。
「チケットを譲ります」。声優が集まる音楽イベントのチケットを探していた大阪府の女性(22)は昨年11月、目当ての書き込みを掲示板で見つけた。目を引きつけたのは「3万円」という価格だ。定価数千円にもかかわらず、ネット上では10万円ほどで取引されていた人気のチケット。女性には格安に映った。
早速、メールで購入を申し込むと、相手の女はすぐに代金の振り込みを要求。女性は「中身が見える透明な封筒に入れ、代金引換で郵送して」と求めた。掲示板を介して商品を買う際には、よく使う詐欺対策だという。
しかし、相手は「封筒がない」と返答。女性が連絡先を聞いても拒み、取引をせかしてきた。女性は不審に感じ、結局購入をあきらめた。
相手の女は今年6月、ツイッターで人気漫画のキャラクターグッズを売るとうそをつき、別の女性に代金を振り込ませたとして、岡山県警に詐欺容疑で逮捕された。
警察庁によると、こうした詐欺事件は10代や20代の若者が容疑者のケースが多く、振込先を自分名義の口座にするなど、摘発されやすい手口が目立つ。逮捕された女も20代で、大阪の女性と実名でメールをやりとりしていたという。〔共同〕