米テスラ、1~3月は赤字 開発費などかさむ
【シリコンバレー=兼松雄一郎】電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズが7日発表した1~3月期決算は、最終損益が4980万ドル(約50億円)の赤字(前年同期は1124万ドルの黒字)だった。開発費や販売網の構築費用がかさんだ。一方、売上高はセダン「モデルS」の販売が予想をやや上回るペースで伸びたため、10%増の6億2054万ドルとなった。
同社は今後、中国での急速な販売拡大を見込む。ただ、パナソニックが供給する蓄電池など、部品の供給が追いついていない状況は変わっていない。モデルSの出荷は前の期を6%下回った。自動化などで生産ラインの効率改善を見込むが、目新しい生産能力向上策は打ち出されなかった。生産能力の伸び悩みが続くとの見方から、米株式市場の時間外取引でテスラ株は売られ、終値比で一時7%以上値下がりした。
決算説明会でテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「生産が追いつかないだけで、中国や北米で強い需要がある」と語った。生産能力向上に向けてパナソニックと計画する米国での新工場建設については「話し合いは順調に進んでおり、年後半にも正式契約する」という。中国や欧州で需要がさらに拡大した場合には「3、4年以内に現地での生産拠点を設置する」という。
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