配当への課税強化検討 政府税調、法人税下げの代替財源候補に
政府税制調査会は法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当などにかかる税率の引き上げを検討する。法人税関連の政策減税の見直しだけでは減収分を補えないためだ。ただ、貯蓄から投資への流れに逆行しかねず、投資家などから批判が出るのは確実だ。
12日に初会合を開く政府税調の法人課税ディスカッショングループ(DG)で、実効税率下げの代替財源について本格的に議論を始める。
法人税関連の政策減税の縮小に加え、株式の配当や売却にかかる税率の引き上げも検討する。政府税調の委員には、実効税率引き下げと同時に金融所得に負担の一部を求めるべきだとの意見がある。高所得者に限って増税する案も浮かんでいる。
政府は家計が抱える現預金を投資に向かわせ、経済を活性化することをめざしている。金融所得への課税強化はそうした方針に沿わない。
財務省は実効税率を10%下げてアジア主要国並みの25%にする場合、5兆円の減収になると見込む。欧州では実効税率を下げても法人税収が増えた例もあり、減収分を代替税源でどこまで補うべきかは慎重に検討する必要がある。