震災後、地下の圧力高まる? 伊豆半島や東北の火山
防災科学技術研究所など日仏共同研究グループは東日本大震災の前後で伊豆半島や東北地方の火山地域の地下の圧力が高まった可能性があるとの結果をまとめた。今後、国内の火山活動には注意する必要があるとしている。研究成果は4日、米科学誌「サイエンス」に掲載された。
防災研と東京大学、フランスのジョセフ・フーリエ大学地球科学研究所などによる研究成果。全国約800地点にある高感度地震観測網のうち、東日本にある観測点で観測された常時微動と呼ばれる地球の揺れを利用して、東日本大震災が起きる前と後で地下の様子がどのように変化したか調べた。
震災前後、それぞれ半年間の地震波形のデータを計算したところ、地震の震央から離れた伊豆半島や東北地方の火山地域の地下で、地震波の速度が著しく低下していることがわかった。地中に地下水などが入ると地震波の速度が遅くなることがある。
防災研では、震災によって火山地域の地下の圧力が高まり、地中にある隙間に熱水などが浸入して地震波の速度が低下したのではないかとみている。