米NYタイムズ 4~6月は54%減益 広告収入減少が響く
【ニューヨーク=清水石珠実】米新聞大手ニューヨーク・タイムズが29日に発表した4~6月期決算は、純利益が前年同期比54%減の919万ドル(約9億3700万円)となった。売上高は同1%減の3億8872万ドル。低価格な電子版の投入が奏功し、電子版の購読者が増加。紙の販売数が減る局面で購読料収入(1.4%増)はプラスを保ったが、広告収入の落ち込み(4.1%減)を補えなかった。
同社は4月からスマートフォン(スマホ)向けに4週間で購読料8ドルという低価格な電子版サービス「NYT Now(ナウ)」を始めた。購読料は、通常の電子版(15~35ドル)よりも大幅に低い。読める記事は要約が中心になるなどの制限がつくが、気軽にニュースを購読したい読者層の獲得に成功した。電子版の有料会員数は6月末時点で83万1千人と、3カ月間で3万人以上増えた。
1株利益は同54%減の0.06ドル。ただ、リストラ費用などの特殊要因を除くと1株利益は0.07ドルとなり、市場予測(0.09ドル程度)を下回った。