財務相、消費税10%に意欲 4月増税後の景気見極め
麻生太郎財務相は6日、職員向けの年頭挨拶で「(消費税率10%に)到達しなければ我々の本来の目的は達成できない」と述べ、税率上げに意欲を示した。政府は税率を4月に8%にした後、2015年10月に10%へ上げる予定。経済状況を慎重に見極めたうえで、年内をメドに安倍晋三首相が10%に上げるかどうかを最終判断する。
麻生財務相は「4~6月、7~9月の結果がすべてを語る」とも指摘。今年4月の増税後にいったん減速するとみられる景気が、7月以降に再び回復に向かうかが判断の分かれ目になるとの考えをにじませた。
7~9月期の経済状況が重要なのは、首相判断の直前とみられる今年12月に、この時期の国内総生産(GDP)の改定値が発表になるためだ。日本経済研究センターがまとめた民間エコノミスト41人の経済予測の平均をみると、実質成長率は前期比年率で4~6月期がマイナス4.62%、7~9月期がプラス1.89%になる見通しだ。
春先の落ち込みが大きければ7~9月期は反動で大幅なプラスになるとみられるが、問題は回復に力強さがあるかどうか。1997年の消費増税でも7~9月期はプラス成長に戻ったが、10月以降に再び失速した。
政府内にも10%上げに慎重な意見は多い。財務省内では「7~9月期の好転は最低条件」と気を引き締める声がある。