慶大、子宮の一部再生に成功 不妊治療に応用へ
慶応義塾大学の丸山哲夫専任講師や宮崎薫助教らは、ラットを使った実験で子宮の一部を再生することに成功した。別のラットの子宮から細胞を取り除いて残したコラーゲン繊維などを足場にし、移植して効果を確かめた。子宮欠損などで不妊になった患者への応用を目指す。
ラットから子宮を取り出し、細胞だけを除く「脱細胞化」を薬剤を使って実施すると、繊維と微小な血管の構造が残った。子宮の3分の1に相当する部分を失った別のラットに、この足場を移植した。約1カ月後、足場は新たな子宮の細胞で覆われて欠損した部分の再生が進んだ。
拒絶反応は起きずに周囲の組織となじんでいた。子宮を再生したラットは妊娠と出産が問題なくできた。体の外で子宮の細胞と骨髄から得られた間葉系幹細胞を混ぜて、足場に注入して培養しても、子宮が再生した。