風力発電、原発10基分1090万キロワットに 20年度目標
日本風力発電協会(東京・港)は30日、中長期の風力発電導入目標をまとめた。2020年度に現在の4倍に当たる1090万キロワットを目指す。出力ベースで一般的な原子力発電所の10基分に相当する。風力発電機は部品点数が1万~2万と多く、保守運用や保険など関連産業の裾野が広い。20年度には国内の経済波及効果が約1兆1千億円、雇用創出効果が7万人強にのぼると試算した。
国内各地で風の強さや立地できる地域、既存の発電設備の容量などから、風力発電の関連産業の将来を推計し、目標を決めた。20年度の目標値で陸上の風力発電所は1020万キロワット。洋上では海底に設備を固定する「着床式」が60万キロワット、設備を海面に浮かべる「浮体式」10万キロワットとした。
50年度の長期の導入目標では国内全体では7500万キロワットと、国内の電力需要の2割強をまかなえる規模を目指す。
ただ、目標の実現には風力発電で生み出した電力を受け入れるための送電網の新増設や蓄電技術など「技術的な課題がある」(同協会)という。コスト抑制なども今後の課題だ。