TPPの知財分野、経財相「近々まとまる」
甘利明経済財政・再生相は13日の閣議後の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で難航している知的財産権の保護の分野について「かなり収れんしつつあり、大きな対立点は解消されつつある。近々まとまってくるのではないか」との見通しを示した。対立が続く医薬品の開発データの保護期間などをめぐり、19~20日にシンガポールで開く閣僚会合での前進を目指す。
TPPの知財分野では、これまでに模倣品や海賊版への取り締まり策や音楽や映画、小説などの著作権保護期間について議論されてきた。2月のシンガポールの全体会合までに大半の分野で参加国の意見はまとまりつつある。
残された難航テーマが、医薬品の開発データの保護期間だ。日米は新薬メーカーを抱え、できるだけ長くデータを守りたい姿勢。一方新興国は価格が安い後発薬に頼るため、3~5年程度と短い期間でデータの公開を求めている。薬の種類などに応じて保護期間に差を付ける案を軸に、着地点を模索しているもようだ。
TPP交渉全体の進展は、牛肉や豚肉の輸入関税を巡る日米協議が大きなカギとなるが、甘利氏は「事務協議が再開されるメドがまだ立っていない」と指摘した。シンガポールでの会合と並行して、事務レベル折衝や閣僚協議を通じて引き続き妥協点を探る考えを示した。