玄海原発の地震想定、大きな異論出ず 規制委審査会合
原子力規制委員会は11日、九州電力の玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県)の再稼働に向けた審査会合を開いた。九電は同原発を襲いうる地震の揺れの最大想定値を620ガルと説明。規制委からは解析手法などを巡って注文が付き、最終的な了承は見送ったが、大きな異論は出なかった。
地震想定値は審査の最大の焦点で、この数値が規制委から了承を得られれば審査は最終段階に進む。3月に九電の川内原発(鹿児島県)、5月には関西電力の高浜原発(福井県)が地震想定値の了承を受けた。玄海原発で想定値が固まれば3カ所目となり、再稼働の第2陣の有力候補になる。
また九電の中村明・上席執行役員は会合後に報道陣の取材に応じ、川内原発の安全対策の詳細設計を記した「工事計画」の申請書の提出時期について「7月中は厳しいかもしれない」と述べた。
川内原発は規制委の優先審査を受けており、今秋にも再稼働の第1号になる見通し。ただ工事計画の提出が遅れれば審査に合格しても機器の検査に着手できない。再稼働の時期に影響する可能性もある。