トヨタ世界生産、自動車初の1000万台超 13年
グループで2.1%増
国内乗用車8社が29日まとめた2013年の国内生産実績(速報値)は合計で前年比3.5%減の911万641台となり、2年ぶりに前年実績を下回った。12年9月まで続いたエコカー補助金の反動減の影響が根強く、年前半を中心にマイナスが続いた。ただ、13年9月以降は国内メーカーが相次ぎ投入した新型車が好調だったほか、14年4月の消費増税を前にした駆け込み需要もあって増勢に転じ、通年の生産を下支えした。
国内生産 | 海外生産 | 輸出 | 国内販売 | |
トヨタ | 3356899 (▲3.9) | 5535196 (5.6) | 1899648 (▲2.4) | 1584316 (▲6.4) |
日産自 | 964546 (▲16.0) | 3986378 (6.6) | 542415 (▲19.6) | 678824 (2.9) |
ホンダ | 840650 (▲18.3) | 3457740 (12.2) | 125478 (▲41.5) | 763333 (2.4) |
スズキ | 975320 (▲8.2) | 1870865 (2.1) | 159285 (▲18.7) | 701476 (4.2) |
三菱自 | 591893 (14.5) | 647548 (9.5) | 343251 (▲6.9) | 138992 (▲1.1) |
マツダ | 966628 (14.3) | 297545 (▲13.4) | 787683 (17.3) | 228256 (4.5) |
ダイハツ | 774949 (0.1) | 271060 (21.5) | 7789 (▲20.1) | 662718 (▲2.1) |
富士重 | 639756 (12.5) | 169163 (▲8.5) | 471072 (24.2) | 180818 (1.7) |
合計 | 9110641 (▲3.5) | 16235495 (6.5) | 4336621 (▲2.8) | 4938733 (▲0.9) |
国内生産はトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキの4社がマイナスとなった。補助金効果で販売を伸ばした12年の反動減に加え、各メーカーが需要地である北米などに生産を移管している影響も出た。日産自は国内から米国に多目的スポーツ車(SUV)「ローグ」の生産を移している。ホンダも主力SUV「CR-V」などの生産を米国に移管。日中関係悪化に伴う販売低迷が一巡した中国でも増産するなど、生産の海外シフトに動いた。
一方、富士重工業は12.5%増の63万9756台と、国内生産台数が過去最高となった。国内で生産し北米に輸出しているSUV「フォレスター」の伸びがけん引した。
海外生産台数はマツダと富士重を除く6社が前年を上回った。トヨタと日産自、ホンダ、スズキは過去最高を記録した。日産自はSUV「ローグ」が寄与し、米国の生産台数が22.9%増えた。中国の生産台数は過去最高だった。ホンダも北米への生産移管に加え、中国では13年6月に投入したセダン「クライダー」などの効果で米中の販売が過去最高だった。
国内と海外を合わせた世界生産台数は8社合計で2.7%増の2534万6136台を確保した。特にトヨタは日野自動車とダイハツ工業を加えたグループ全体で2.1%増の1011万7274台を生産。米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)を抑え、世界の自動車メーカーとして初めて1000万台の大台に到達した。
輸出はマツダと富士重以外の6社がマイナスとなった。各社が生産の現地化を進めている影響が出た。富士重は北米向けの台数が伸び、24.2%増の47万1072台と過去最高を記録。マツダも13年から欧州で発売したセダン「マツダ6(日本名アテンザ)」が堅調で台数を伸ばした。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕