長谷川町子さんのかるたなど2000点出品 古書入札会
漫画「サザエさん」の作者、長谷川町子さん(1920~92年)が手掛けたカラーのかるた画稿など、貴重な資料や文献約2千点が3日、東京都千代田区の東京古書会館で報道陣に公開された。4日から、東京古書会館で始まる「明治古典会 七夕古書大入札会」に出品される。
かるたは朱色や水色などが鮮やかで、いがぐり頭の少年、おかっぱの少女らが愛らしく描かれている。戦前の図書などに詳しい紅谷書店の紅谷邦之さんは「戦時色が全くなく、戦後のものだろう。長谷川さんの色付きの原画が出てくるのは珍しい」と話す。
かるたの原画は45枚で、入札最低価格は120万円。ちょうちんを持った蛍などが登場するほのぼのとした絵柄だ。長谷川町子美術館(東京・世田谷)の学芸員、橋本野乃子さんは「終戦後すぐの典型的な子どもが描かれ、『サザエさん』のカツオ、ワカメの原型との見方もできる。ユーモラスな動物も長谷川らしい」としている。
〔共同〕