福島・楢葉町長、高濃度の受け入れ拒否 中間貯蔵施設
東京電力福島第1原発事故で出た除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、国に建設候補地とされている福島県楢葉町の松本幸英町長は27日、1キログラム当たり10万ベクレルを超える高濃度の廃棄物の受け入れを拒否し「施設の配置の再検討」を求める考えを、佐藤雄平福島県知事に伝えた。
国は中間貯蔵施設で、福島県全体の土壌や草木に加え、1キログラム当たり10万ベクレルを超える焼却灰や汚泥を保管するとしているが、高濃度廃棄物については楢葉町への搬入を認めない意向を示した形。
松本町長は県庁で佐藤知事に会い、楢葉町は1キログラム当たり10万ベクレル以下で、楢葉町内で発生した廃棄物に限る「保管庫」を前提に現地調査を受け入れていたとして、県から国に再検討を申し入れるよう求めた。佐藤知事は「真摯に受け止めたい」と述べ、対応を協議するとした。
楢葉町では、建設の是非を問う住民投票条例案の採決が、29日の町議会で行われる。町長は記者団の取材に、全ての廃棄物を拒否するかどうかは「楢葉町だけの問題ではないので協議する」と述べ、明言を避けた。
国は楢葉町と、第1原発がある大熊町と双葉町の計約19平方キロを国有化する計画を打ち出している。〔共同〕