北京、再び「深刻な大気汚染」 石炭消費増え
【北京=山田周平】中国の北京市で28日午前にかけ、微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が再び上昇し、市内の複数の観測地点で6段階で最悪の「深刻な汚染」を記録した。気温が下がって暖房用の石炭消費が増え始めたうえ、この日は気圧が低くPM2.5が滞留しやすくなっているためだ。
28日は、北京に隣接する天津市や河北省でも「深刻な汚染」を記録する地点が相次いだ。北京市内ではマスクをつけて出勤・登校する人も目立った。しかし、黒竜江省など東北部で先週発生した汚染ほどは深刻でなく、小中学校が休校になるなどの影響は出ていないもようだ。
中国では石炭の消費が増え、空気が乾燥する冬が近づき、PM2.5による大気汚染への警戒感が強まっている。東北部での汚染に先立ち、今月6日前後には北京の市街地の全観測地点で「深刻な汚染」を記録した。
中国政府は9月、2017年までの総合的な大気汚染対策をまとめ、地方政府などが実行に移し始めた。しかし、最新の排ガス規制を満たしていない自動車の淘汰など具体化には一定の時間がかかるため、今年冬のPM2.5の発生を抑えられるかは不透明だ。