田村市の避難指示を解除 福島、原発20キロ圏内で初
政府は1日午前0時、東京電力福島第1原子力発電所事故で福島県田村市の都路(みやこじ)地区の一部に出していた避難指示を解除した。同原発から20キロ圏内の旧警戒区域での避難指示解除は事故後初めて。避難指示が続くのは福島県内の10市町村となる。
都路地区の避難指示区域内の人口は117世帯・357人(2月末時点)。国は昨年6月に地区の除染を終了。住民は昨年8月から、申請すれば自宅に泊まれるようになり、清掃や修繕など帰還に向けた準備をしてきた。
ただ、放射線への不安などから、解除後に直ちに自宅に戻る住民は一部にとどまる見通し。国は一律の再除染はせず、住民と相談の上、放射線量の高い場所が確認されれば個別に対応するとしている。
避難指示解除に合わせ、田村市は4月、都路地区の市立小中学校3校とこども園を再開する。いずれも原発から20~30キロ圏にあり、避難指示区域外だが、避難した住民が多いため市内の仮校舎に移転していた。国は住民の生活支援のため、仮設店舗2店も設ける。
田村市の東部に位置する都路地区は、福島第1原発から20キロ圏内の区域が警戒区域になり、2012年4月、日中の立ち入りが可能な避難指示解除準備区域に再編された。国は除染が完了したことなどから今年3月、避難指示解除を決めた。