国民年金、死亡一時金の支給漏れ救済 厚労省方針
厚生労働省は19日、同省の法令解釈の変更で国民年金の死亡一時金に支給漏れが生まれたため、特例を設けて救済する方針を示した。対象は行方不明になって7年以上たち、裁判所から失踪を宣告された人の遺族。宣告日から2年以内に請求すれば支払うことにする。
総務省の年金業務監視委員会(委員長・郷原信郎弁護士)で明らかにした。厚労省はもともとこうした対応をしていたが、2012年に解釈を変え、行方不明になって9年以内に請求しなければ死亡一時金は時効になるとしていた。そのため遺族の気持ちの整理がつかず、失踪宣告を裁判所に求めるまで10年かかった場合は、一時金を受け取れなくなっていた。
12年当時、厚労省は室長らの事務レベルで解釈を変えていた。郷原委員長は会議後の記者会見で、「厚労省の法令解釈で重大な権限の逸脱があった」と語った。