米サイバー部隊6000人に増強へ 中国などに対抗
【ワシントン=川合智之】ヘーゲル米国防長官は28日、激しさを増すサイバー戦争に備え、2016年にもサイバー部隊の専門家を現状の1800人から「6000人に増やす」と表明した。人員増強のために「あらゆるところから才能ある人材を雇う」と強調。大規模なサイバー軍を擁するとされる中国などの脅威に対抗する。
ヘーゲル氏は米国家安全保障局(NSA)本部での演説で「私が話している間にも、国防総省は敵から5万回のサイバー攻撃を受けている」と強調。「攻撃から国を守るために部隊の能力を増強する」と述べた。
「米国はサイバー空間を軍事化したいのではない」としたが、水道やエネルギーなどの制御機器に侵入するコンピューターウイルスが急増しているため、自衛が必要だと指摘した。
22日にはNSAが中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のサーバーに侵入して通信を監視していたと報じられるなど、サイバー空間での対立は激化している。