福島第1原発 汚染水対策で現地調整会議、政府と東電
福島第1原発の汚染水対策を巡り、政府と東京電力は9日、福島県で2回目の現地調整会議を開いた。鋼板をボルトでつなぐ簡易構造のタンクで汚染水漏れが起きたことから、東電は同型の全約300基を2015年中に溶接構造に交換する計画を示したが、政府側は「前提条件が理想的すぎる」として、再検討を指示した。
東電はこの日、13年度は月15基、14年度は同30基程度のペースで溶接式タンクを増設し、ボルト式タンクの汚染水を順次抜き取る計画を提示。政府側も骨格は了承した。ただ計画は原発に流入する地下水をくみ上げて海に流す地下水バイパスの実現などを前提にしており、実現しなかった場合など複数のケースを想定する必要があるとした。
東電の対策のうち、11月までに全てのボルト式タンクに水位計を設置し、今年度中にタンクを囲うせきのかさ上げと二重化を終える計画は了承した。せきのかさ上げについては「別の工法を採れば工期をより短くできる」との指摘が出た。