LINE、携帯・固定電話に低料金通話サービス
無料通話・チャットアプリのLINE(東京・渋谷)は26日、通話・チャットアプリを通じて固定電話や携帯電話に低料金で電話をかけられるサービスを3月に始めると発表した。固定電話には1分2円から、携帯電話には同6.5円からと最安値水準の料金で通話できる。
「LINE電話」は日本、米国、メキシコ、スペイン、タイ、フィリピンの6カ国でサービスを始める。LINEの無料通話・チャットアプリ(応用ソフト)を使っていれば、登録などの初期設定なしで固定電話や携帯電話にかけられる。
上限60分で30日間、携帯電話と固定電話の両方に通話できるプランの料金は1分あたり6.5円と、一般的な国内の携帯電話事業者の料金の6分の1程度。通話時間分の金額を事前にチャージしておく仕組みも用意した。国際電話も可能で、日本から米国や中国への通話は同2円で使えるようにした。
スマートフォン(スマホ)などに入力されている電話帳や通話履歴などから電話の相手先を探せる。店舗や公共施設など国内650万件の電話番号データベースから位置情報やキーワードで絞り込み検索もできる。複数の大手回線事業者の回線を採用したうえで、通信量が多い場所では専用回線を使うなどして音声品質も高めている。
LINEの無料通話・チャットアプリは登録者同士に限って無料で通話できる仕組みだった。LINE電話の機能を追加して使い勝手を高め、国内外でLINEの利用者を増やしていく考えだ。無料通話・チャットアプリの登録者数は国内外合わせて約3億7千万人。年内に5億人突破をめざしている。
LINE電話以外にも2つの新サービスを発表した。
チャットアプリで使われる感情表現イラスト「スタンプ」の制作者を一般利用者などに広げて、オンライン店舗で販売できるようにするLINEクリエイターズマーケットを4月をめどに開始する。40種類のイラストで構成されたスタンプを制作すると、LINEの審査を経たうえで1セット100円で販売する。それぞれのスタンプの売り上げの50%は制作者に配分される仕組みだ。
このほか企業向け販促ツールの「公式アカウント」では、個別の利用者に合わせた情報提供などができるLINEビジネスコネクトも始める。新たな機能を使えば、公式アカウントにスタンプを送るだけで宅配料理を注文したり、位置情報を送信してタクシーの手配をしたりすることができるという。