サントリー、夏限定のプレミアム・モルツ発売
サントリー酒類は3日、主力の高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」で夏限定の商品を5月27日に売り出すと発表した。ホップや麦芽といった原材料はプレモルと同じだが、フルーティーな香りを生む「上面発酵酵母」を使い「エール」タイプのビールにする。今夏はキリンビールも贈答専用の高級ビールを発売予定。ビール大手4社による「プレミアム戦争」が激しくなりそうだ。
新商品「ザ・プレミアム・モルツ〈香るプレミアム〉」は、従来のデザインをベースに「青」を強調したパッケージが特徴。店頭想定価格は350ミリリットル缶で260円強。贈答品セットも売り出し、50万ケース(1ケースは大瓶20本換算)の販売をめざす。アルコール度数は6%と高めで通常品のラガータイプに比べ香りの特徴が出しやすいという。
5月20日~6月15日には東京・六本木の六本木ヒルズにプレモルをPRする初のコンセプト店も開く。一連の施策でプレモル全体で2014年は前年比2%増の1800万ケースを販売する計画だ。
今年はキリンが中元商戦に「一番搾りプレミアム」を発売。10万ケースの販売をめざす。アサヒビールは昨年に贈答専用で出した「ドライプレミアム」を2月中旬から通年販売に切り替え、今年は320万ケースを計画する。サッポロビールも4月以降に「エビス」の新商品2品を売り出し、ブランド全体で前年比約4%増の1000万ケースにする計画だ。高級ビールで約6割のシェアを持つサントリーもプレモルの新商品で対抗する。
サントリーは大手4社が出そろったことで、2014年の高級ビール市場が前年比7%増えると予測する。4月の消費増税後も「多少高くても上質な商品を求める『メリハリ消費』の需要は続く」と強気の見通しだ。