南相馬の避難指示解除「16年4月目標」 市長、住民に表明
福島県南相馬市の桜井勝延市長は24日、市内で開いた住民説明会で、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴い同市の小高区全域と原町区の一部に出ている避難指示について、2016年4月の解除を目標とする考えを表明した。
同市では上下水道など生活インフラの復旧は13年度中に終わるが、宅地の除染やがれき処理は遅れ、15年度までかかる見通し。桜井市長は「高齢の避難者らから解除の目標時期の明示を求める声がある。目標を設定することで生活設計が進めやすくなる」と説明した。
市は避難住民や市議会との意見交換を経て、12月中に目標時期を正式決定したい考え。その後、国や東電に事故から16年4月まで5年分の賠償金の一括支払いを求める。生活再建や帰還の後押しにつながるとみている。
南相馬市は昨年4月の避難区域の再編で、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域が設定された。解除準備区域からは今年8月時点で約1万2千人・3700世帯が避難している。
説明会で、市民からは「目標時期の設定は除染の結果が出てからにしてほしい」「他自治体に比べ賠償で不利になる恐れがある」などの意見が出た。桜井市長は「あくまで目標。実際の解除時期はずれることもある」と理解を求めた。