東電社長が国会で陳謝 汚染水で「心配や不便」
衆院経済産業委員会は27日、福島第1原子力発電所の汚染水問題で閉会中審査を開いた。汚染水を国会で審議するのは初めて。東京電力の広瀬直己社長が参考人として出席し、「(原発)事故から2年半たつが、汚染水で新たな心配や不便をかけて申し訳ない」と陳謝した。安倍晋三首相が「状況はコントロールされている」と発言したことの是非が焦点となる。
委員会の冒頭、同委は12日の福島第1原発の現地視察を報告した。その後、広瀬社長が緊急的な応急策と長期的で抜本的な対応策にわけて説明した。
同委は30日にも審査を開催する。茂木敏充経産相や原子力規制委員会の田中俊一委員長が出席する見通し。野党は、汚染水の問題が続く中で原発再稼働に向けて原子力規制委員会の審査が進むことなどを批判する構え。10月15日召集予定の臨時国会の前倒しも求める。
安倍首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は福島第1原発の港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている。状況はコントロールされている」と発言した。その後、東電の山下和彦フェローは「コントロールできていない」と説明しており、野党側が食い違いをただす。
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