東京海上日動、保険金未払いか 車保険で約10万件
東京海上日動火災保険が2003年6月以前に契約した自動車保険で、契約者が受け取れる保険金の一部が支払われていない可能性があることが6日分かった。未払いの可能性がある対象契約は10万件程度に上るとみられ、東京海上日動は判明分は遅延損害金を上乗せして、契約者に支払う。
未払いの可能性が分かったのは自動車事故で死亡させたり、けがをさせたりした相手を見舞った場合に、1万円から10万円程度の保険金を支払う「対人臨時費用」と呼ばれる補償。損保各社は保険金の不払い問題が発覚した05年、金融庁から不払いの全容を調べるよう求められた。東京海上日動も02年4月から05年6月の間の自動車保険などの契約を調べたが、02年4月から03年6月の「対人臨時費用」の不払い状況だけは調査対象から外していた。
調査しなかった02年4月から03年6月の間に、東京海上日動の契約者が対人事故を起こした件数は10万件程度とみられる。仮にすべての契約者が相手の見舞いに行っていれば、未払いは10万件程度となる。これまでに請求してきた契約者には既に保険金を払っており、今後も問い合わせに対応する形で調査・支払いをするという。
東京海上日動は03年6月以前の契約の調査をしなかった理由を「03年6月までは契約者の請求を受けて、保険金を払う運用をしていたため」などとしている。三井住友海上火災保険などは「03年6月以前も調査済みで、同様の問題はない」と説明している。