英グラクソ、医師への講演料支払い禁止 便宜供与の恐れで
英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)は、2016年までに医師への講演料の支払いや、同社が交通費を負担して医師を学会に派遣することを日本を含めグローバルで廃止する検討に入った。医師と製薬会社との金銭を巡る不透明な関係が問題となるなか、便宜供与のおそれがあると判断した。
製薬会社は地方や学会で医師を講師に招いた講演会を開催している。GSK日本法人は12年に3510件の講演会を実施し、講師への謝礼金として約8億円を支払った。これが便宜供与と見られる恐れがあることから、廃止する方向で学会や医師会などと議論を始める。学会参加の医師の交通費負担も廃止する方針。
代替案として「教育助成金」を創設する。若手研究者が学会の参加費の一部などに充てるなどの使い方を想定する。
日本製薬工業協会は12年度分より会員各社に対し、講師への謝礼金などの公表を義務付けている。製薬会社と医師の間に便宜供与がないか、透明性を確保する狙い。ノバルティスファーマの社員が、大学での臨床研究に関与した問題もあり、信頼確保に向けた取り組みが広がる可能性がある。