中国・政協報道官、周永康氏の調査否定せず 汚職疑惑
【北京=阿部哲也】中国の国政助言機関、全国政治協商会議(政協)の呂新華報道官は2日の記者会見で、周永康・前政治局常務委員の汚職疑惑について「党規や法規を犯せば、地位の高さに関係なく、あらゆる容疑者は厳しい調査を受けなければならない」と述べ、当局による調査を否定しなかった。
記者会見の最後、周氏を調査しているかどうか聞いた香港メディアの質問に答えた。
周氏は石油利権を背景に、中国の政財界に強い影響力を持つ「石油閥」の中心人物。汚職摘発を進める習近平指導部の調査が及ぶかどうかが大きな焦点になっている。すでに息子や側近が調査を受け、周氏自身も移動の自由などを制限されるなど党の監視下にあるとされる。
呂氏は事前に想定問答集を用意していたとみられ、手元のモニター画面を見ながら慎重に回答。「当局が昨年摘発した容疑者は31人に及ぶ。高級幹部も含めて違法、規律違反は厳しく罰せられるべきだ」と指摘。「私が答えられるのはこれだけだ。あなたもお分かりでしょう」と調査が進んでいる可能性をにじませた。政府系メディアのサイトには記者会見の一問一答が掲載されたが、周氏に関する部分は削除された。