志布志事件、鹿児島県が控訴断念へ
2003年の鹿児島県議選を巡る選挙違反冤罪(えんざい)事件(志布志事件)で、無罪が確定した元被告に対する違法捜査を認め、国と鹿児島県に約6千万円の賠償を命じた鹿児島地裁判決について、鹿児島県が控訴しない方向で検討していることが27日、捜査関係者への取材で分かった。
鹿児島県は、同じ事件で取り調べを受けたものの、起訴されなかった住民らへの賠償を命じた同地裁判決にも控訴しない方向で検討している。
国も控訴期限の29日までに方針を決める。
15日の地裁判決は、元被告と遺族ら計17人による賠償訴訟では「警察は自白を強要する違法捜査をし、検察も公判を漫然と継続した」と指摘。起訴されなかった住民ら7人の賠償訴訟では、うち3人に対する捜査の違法性を認め、県に計約180万円の支払いを命じた。〔共同〕