小泉元首相、原発「即時ゼロがいい」
小泉純一郎元首相は12日、日本記者クラブで記者会見し、政府の原発政策について「即時ゼロがいい」と述べた。理由として「再稼働するとまた核のごみが増える。最終処分場がみつからない中ではすぐにゼロにした方がいい」と指摘した。
政府の責任で核廃棄物処分場の設置場所を決めるべきだとの意見に対しては、「(東京電力福島第1原発の)事故前もできなかったことを、政治の責任で処分場を早く選定しろというのは楽観的で無責任だ」と批判した。
脱原発の意義を巡っては「郵政民営化どころの比ではない。壮大な夢がある」と力説。今後の脱原発実現への道筋についても「自民党内で議論させればそんなに推進論者が多いとは限らない」との見方を示した。その上で、「最終的には国民(の判断)で、世論は軽視できない。大きな底流となっている根強い世論をどう読むかが政治家としては大切だ」と指摘。「自民党は国民世論にかなり敏感な政党だ」として方針転換に期待をにじませた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕