東電、汚染水問題で社長ら減給 対策不足指摘
東京電力は26日、国内外の有識者で構成する第三者委員会「原子力改革監視委員会」の4回目の会合を開いた。福島第1原子力発電所で相次いでいる汚染水問題に関し、リスク管理の甘さと対策不足を認める報告書を同委員会に提出。問題を公表する姿勢も消極的だったとし、安全対策や意識改革の強化が必要との認識を示した。
同委員会は取締役会に対し、汚染水問題の解決に向けた迅速な対応や適切な情報公開などを求めた。
東電は同日、福島第1原発から海への汚染水流出の可能性を公表するのが遅れた責任を取り、広瀬直己社長と相沢善吾副社長をそれぞれ1カ月間の10%減給、見学信一郎執行役員を1カ月間の5%減給とする処分も発表した。
福島第1原発では地下貯水槽からの汚染水漏れや、地下水からの放射性物質検出などの問題が発生。東電は今月22日に海へ汚染水が流出している可能性を認めた。
今回の報告書では「状況変化に応じて優先度を見直し、具体的な対策を準備すべきだった」「体系的に潜在リスクを拾い上げる作業ができていなかった」などの認識を示した。
改革監視委の委員長を務める米原子力規制委員会(NRC)のデール・クライン元委員長は会合の冒頭で「これまでの改革が後退してしまう。国民に情報を十分に提供していないのではないか」と強調した。
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