福島第1、燃料取り出し1年半前倒し 政府・東電
政府と東京電力は8日までに、東電福島第1原子力発電所の廃炉作業を現行計画よりも前倒しすることを決めた。炉心溶融(メルトダウン)で原子炉内に溶けて固まった核燃料「デブリ」の処理について、2021年末までの取り出し着手を目標としてきたが、1年半程度前倒しして20年6月ごろの開始を目指す。
政府と東電でつくる東電福島第1原子力発電所廃炉対策推進会議(議長・茂木敏充経済産業相)の事務局が10日に発表する廃炉に向けた中長期ロードマップの改定案に盛り込む。福島県内の自治体などと協議したうえで、6月中にロードマップを正式に改定する。
デブリの処理は世界でもほとんど前例がなく、福島第1原発の廃炉作業の最重要課題。政府と東電は11年に策定した計画で、10年以内の取り出し着手を目標にしていた。前倒しで廃炉工程の短縮を目指す。
ロードマップの改定案には、汚染水のもとになる地下水の原子炉建屋への流入を防ぐため、凍土方式による遮水壁の設置なども盛り込まれる。