東芝、撮影後のピントを変えられるカメラ・モジュール
東芝は、撮像データに映っている任意の被写体に対して、撮影後に焦点を合わせたり、ぼかしたりできるカメラ・モジュールを開発した。2個の1/4型500万画素CMOSイメージ・センサーを搭載しており、これと内蔵した画像処理LSIで、広い撮影範囲の被写体に焦点を合わせた"ディープ・フォーカス画像"を得られるとする。
スマートフォン(スマホ)やタブレット向けに2014年1月にサンプル出荷を始め、2014年4月に月産50万個の規模で量産する。
2個のイメージ・センサーは並べて配置してあり、両センサーがとらえた被写体までの距離情報も内蔵の画像処理LSIで算出して面的に出力できる。距離情報を基にして、任意の被写体にのみ焦点の合った画像データを得られる。
レンズを動かす機械的な自動焦点機構を使わなくても、ピント位置の狭い(焦点深度の浅い)撮影が可能になる。また、スマートフォンの自動焦点機構を省けるほか、焦点が合うまでの待ち時間がなくなるために、ユーザーがシャッターを押した瞬間の撮影も可能になる。さらに、ジェスチャーの認識や被写体の大きさ推定などへの応用も見込める。
2個の500万画素イメージ・センサーのデータを画像処理LSIによって高解像度化し、1300万画素相当の画像データとして出力する。1300万画素のイメージ・センサーを一つ搭載したカメラ・モジュールよりも厚みを抑えられる。
(Tech-On! 三宅常之)
[Tech-On! 2013年9月27日掲載]
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