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丸ごとレビュー USBメモリー? いやこう見えてパソコンです

フリーライター 竹内 亮介

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マウスコンピューターの「m-Stick MS-NH1」は、非常にコンパクトなパソコンだ。それと知らされていなければ、大きめのUSBメモリーにしか見えない。しかし実は、普段使っているデスクトップパソコンやノートパソコンと同じウィンドウズ8.1アップデートがインストールされており、ウェブ閲覧や書類作成、動画再生などが行える。今回はこの超小型パソコンの使い勝手を検証するとともに、こうしたスタイルのパソコンがどういう場面で便利なのかについて考えていこう。

手のひらで握れるサイズの超小型パソコン

コンパクトなスティック型のパソコンであるm-Stickは、2014年12月5日に発売された。11月28日に発表された時点で大きな反響を呼び、大手量販店やネットショップなどでは発売してすぐに売り切れてしまった。現在も、直販サイトなどで予約が開始されるたびにあっという間に完売となる人気商品である。実勢価格は2万円前後だ。

まずは外観だが、前述したように形状はUSBメモリーによく似ている。細長いきょう体は手のひらで握れるほど小さく、重さも44グラムと非常に軽い。USBメモリーならUSBコネクターの位置にある金属部分は、実はHDMI出力端子である。これを液晶ディスプレーや液晶テレビのHDMI入力端子に接続し、ウィンドウズの画面を表示する。

電源供給用にACアダプターが付属している。ACアダプターと、m-Stickの側面に装備するマイクロUSBポートを、添付のUSBケーブルで接続する。その後、側面電源ボタンを押すと、ウィンドウズ8.1アップデートが起動して液晶ディスプレーや液晶テレビにデスクトップが表示される。マウスやキーボードを接続するためのUSBポートも装備する。

文章に書き起こしてみると、デスクトップパソコンのセッティングそのものだ。しかし実際の状況はまるで異なる。一般的なデスクトップパソコンでは、机の上や足下にあるていどの設置スペースが必要だが、m-Stick本体はコンパクトなので、液晶ディスプレーなどの背後に隠れてしまう。無線LANを内蔵しているので、キーボードやマウスがワイヤレスタイプなら、ケーブルは電源供給用の細いマイクロUSBケーブルのみとなる。

液晶ディスプレーの背面に設置できるコンパクトなパソコンもある。しかしこの場合、液晶ディスプレー側にも「VESAマウント」対応のネジ穴や、背面にパソコンを設置できる程度のスペースが必要になる。しかしm-Stickなら、そういった特別な装備を持つ液晶ディスプレーである必要もない。

HDMI端子で接続する小型デバイスとしては、以前にも紹介した米グーグルの「クロームキャスト」など、ディスプレー出力の中継デバイスがある。しかしこうしたデバイスは、無線LANで接続したパソコンやスマートフォンのディスプレー出力を、中継して表示するだけだ。コンテンツを表示するには、パソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要であり、単体では動作しない。

m-Stickはウィンドウズ8.1アップデートがインストールされたパソコンそのものなので、コンテンツの再生を行うメインデバイスが別途必要になることはない。m-Stickから家庭内LANやインターネットに直接接続し、ウェブ閲覧したり、ユーチューブにアップロードされた動画を再生したりできる。またクロームキャストは無線LANでディスプレー出力を中継しているため、若干だが操作の遅延が起きる。しかしm-Stickでは操作の遅延は起きない。

性能は小型タブレットと同等、動画再生もラクラク

このように非常にシンプルな配線で利用できるm-Stickだが、USBポートが一つしかないため、マウスとキーボードを接続する時には注意が必要だ。一般的なパソコンのように、別々のポートに接続するタイプだと、USBハブを使わなければならない。

この状態だと、m-Stickからいくつものケーブルが垂れ下がることになるため、あまり見栄えが良くない。一つのUSBレシーバーで、マウスとキーボードの両方を利用できるワイヤレスのキーボードやマウスを組み合わせるとよいだろう。またブルートゥース接続のキーボードやマウスなら、貴重なUSBポートを使わずに済む。

キーボードとマウスの問題さえ解決できれば、使い勝手はいつも使っているウィンドウズ8.1アップデートそのものである。パソコンとは思えないほどのサイズであり、性能が不安になるユーザーもいるだろう。しかしCPUは省電力なインテルの「アトムZ3735F」(動作周波数は1.33ギガヘルツ)、メモリーは2ギガバイトを搭載しており、これは8型の小型タブレットとほぼ同じだ。

フルHD解像度の液晶ディスプレーに接続してテストしたところ、スタート画面やアプリの表示切り替えはなめらかでスムーズだった。マイクロソフトのオフィス2013をインストールして書類作成を行ったところ、日常的に利用しているデスクトップパソコンと比べても応答性や使い勝手はほとんど変わらない。フルHD解像度の動画を再生してもコマ落ちはなく、CPU使用率は30%前後と余裕がある。

よく使われる複数のアプリを実行し、その使用感を数値で比較できるベンチマークテスト「PCMark 8」のスコアも、今までテストしてきた8型タブレットの数値に準じており、ウィンドウズ8.1アップデートの使い勝手は8型タブレットと同じ程度と考えてよい。ストレージの容量は32ギガバイトと少なめだが、マイクロSDメモリーカードスロットを装備するので、メモリカードで補うと良いだろう。

コンパクトで薄型なので、もちろんファンは搭載しない。使用中はややプラスチックのきょう体が温かくなるが、ベンチマークテスト中など負荷が高くなる状況でも熱くて触れなくなるようなこともなく、1日ずっとつけっぱなしでもトラブルはなかった。

電源供給がマイクロUSBポート経由であり、スマートフォンなどほかの充電ケーブルやACアダプターを試してみたくなる。しかし、iPhone4や古いアンドロイドスマートフォンの充電用ACアダプター、パソコンや液晶ディスプレーのUSBポート経由だと、電源自体が入らなかったり、起動が途中で止まったりした。

急速充電機能を搭載したアンカー・ジャパンの「Anker 40W 5ポート USB急速充電器」では問題なく利用できたが、ACアダプターを選ぶ傾向があるのは確かだ。外出先でも安心して利用したいなら、多少荷物は増えても添付のACアダプターを一緒に持ち歩いた方がいいだろう。

個人利用でもビジネスでも大活躍

まずオススメなのは、リビングの液晶テレビに接続し、パソコンのコンテンツを大画面テレビで楽しむという使い方だ。従来のパソコンのように複数のケーブルをはわせる必要や、置き場所を確保する必要もない。配線は非常にシンプルで、しかも目立たず設置できるため、リビングの雰囲気を壊さずにパソコンを利用できるようになる。

かばんに常に入れて持ち歩き、出先のプロジェクターに接続して商品解説などに利用する、という使い方もある。スマートフォンのテザリングを利用してインターネット接続できるようにしておけば、オンラインストレージに保存したファイルをダウンロードし、出先ですぐにプレゼンテーションを始められる。

また最近では、500グラム前後と軽量のモバイルプロジェクターがいくつか登場している。こうした軽量モバイルプロジェクターと一緒に持ち歩いても、m-Stickは44グラムなので苦にならない。ユーザー次第で利用シーンが広がる、かなり面白いパソコンだ。

またm-Stickでは無理だが、こうしたスティックタイプのPCのサイズが規格化されれば、テレビの専用スロットにこれを差すだけで、テレビや液晶ディスプレーがパソコンに変わる、という使い方ができるようになるかもしれない。

そうなれば、スマートテレビのあり方も大きく変わる。テレビにパソコンやタブレット用の基板を組み込む従来のスタイルだと、どうしても性能の陳腐化は避けられない。しかし差し替え可能なスティックタイプのPCを内蔵するという形なら、陳腐化したスティックタイプのPCを差し替えるだけで、最新スペックに生まれ変わり、機能やセキュリティーが向上する。

今後のパソコンやテレビの未来像にかかわってくるかもしれない、ユニークなパソコンといえる。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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