汚染水問題、初の閣僚会議 国際広報充実を協議
東京電力福島第1原子力発電所の汚染水問題を受け、政府は10日午前、初めての「廃炉・汚染水対策関係閣僚会議」を首相官邸で開いた。安倍晋三首相が汚染水問題の収束を国際公約したことを踏まえ、放射性物質の拡散状況を分かりやすく的確に広報する方法などについて協議。今後、関係省庁が在外公館などに説明する体制も充実させる方針だ。
関係閣僚会議は菅義偉官房長官が議長となり、経済産業相や財務相、外相、原子力規制委員長などで構成する。菅官房長官は会議の冒頭で「状況を今後ともコントロールして、解決につなげていくことが必要だ」と述べた。
政府は地下水の放射性物質による汚染を防ぐため、建屋を凍った土でおおう「遮水壁」の建設費などに2013年度予算から210億円の予備費を投入することなどを10日午後にも決める。会議では問題の早期収束に向け、新たな汚染水漏れを予防する追加対策などを協議した。
20年の夏季五輪の東京開催にあたり、首相は7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水問題は制御できている」と表明した。ただ福島第1原発の周辺では漁業者などから風評被害を懸念する声が強くなっているため、後手に回っていた情報発信を充実させる。問題への国際的な関心も高まっているため、外国語での発信機会を増やすことも検討する。
関連企業・業界